(株)トミーウォーカーのPBW【シルバーレイン】に参加してるキャラクターが書き散らし気味に展開中。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
凪いでいた。
あの日から悩み続けて居る胸のうちが、嘘のように静かだった。
今なら、迷わずにいけるかも知れない・・・。
ふとそんな気持ちになって、私は家をでる。
近所の花屋に向かう。
白い花を数本選んで花束にしてもらう。
空の青にも、夜の黒にも、血の赤にも、良く映える白。
足は自然とあの場所に向かった。
いつもの場所に花を供える。
「・・・待っていて・・・もう少しで逢えるわ・・・」
海を振り返る。
陽の光を受けキラキラと輝く波は、ただ穏やか。
目を細め、しばし眺めたあと、踵を返し部屋に戻る。
禊ぎを済ませて身支度を始める。
ドレスを纏い、髪を梳き、最後に紅い口紅を差す。
御車君にいただいたブーケを手に取り、海へ向かった。
空は晴れていて、月光が静かに降り注いでいる。
風はなく、波は穏やかだ。
波打ち際で光を浴びる。せめて、今だけでも綺麗になれるように。
こんなことをしても律が私を待っていてくれるなんて思ってはいないけれど。
律を忘れてしまう前に、今・・・。
PR
この記事にコメントする