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ああ、もう、限界・・・。
そう思ったから、退団届けを出した。
誰にも相談しなかった。勿論、あいつには言ってない。
長く世話になった場所だから、団長には挨拶の手紙を出すべきだったのかも知れない。
でも便箋を前にしてペンを手にしても、いつまでも字で埋まることはなくて真っ白のまま。
結局、何も連絡せずに退団届けだけを、漸く書いた。
あの場所に不満があったわけじゃない。
みんなとワイワイ騒ぐの楽しかったし、色々話せる友達も出来た。
でも、もう駄目だ。日向の明るさに、耐え切れない。
みんなそれぞれ色んなものを抱えてるんだろう。
それでもそれを出さずに笑っていられるのは、凄いことだと思う。
続ける努力もしないでそこから逃げるのは、卑怯なんだとも思う。
だけど、今のわたしには出来ない。みんなの前で自然に笑えない。
楽しいのは間違いないけど、どこか作ってる。
いつかもっと迷惑かける気がするから。逃げた。
・・・逃げたのはそれだけじゃないのも解ってる。
あいつからも、逃げたかった。
いつでも日向の暖かさを持ってるあいつから。
あいつのこと、嫌いじゃない。だけど・・・好きになれない。
あいつの近くにいて安心する。だけど・・・気持ち悪い。
好きだよって言われて嫌な気分はしない。
でも日に照らされて、自分の汚さを見せ付けられてる気がする。
あいつはきっと、わたしが居た場所があることを受け入れられないだろう。
わたしの手が、ゴーストではなくてヒトの身体を抉るために存在していたことも。
骸を灰に還すためではなく、灯火を燃やし尽くすための焔を纏っていることも。
その事実を知った時、きっと困惑した瞳をして何も言えずにわたしに背を向けるだろう。
それが、怖い・・・。
それが、腹立たしい。
近くにいると黒い何かが溢れて出てきそうで堪らないから、少し離れてみようと思った。
あいつの顔を見なくて済むように。
わたしが、平穏で居られるように・・・