(株)トミーウォーカーのPBW【シルバーレイン】に参加してるキャラクターが書き散らし気味に展開中。
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「私で良ければ、この声が途切れるまで・・・」
微笑みながらも、涙が頬を伝う。彼が私の頬に腕を伸ばす。
涙が落ちる直前、それは淡い銀光を放つ羽蟲に変わり、彼の左肩に止まる。
その左肩からも羽蟲が現れ、2匹は共に窓の外へと飛び去った。
あれは、律の・・・。
(ありがとう・・・)
最後まで、見守っていてくれたのだろう。
そんな気がして、律に小さく礼を言う。
彼に向き直ると、目が合った。
右手を差し出すと、私の苗字を呼んだ。
「あやこと、お呼び下さい・・・」
差し出された手をとり、微笑む。
彩蟲は、律との思い出を忘れないために、名乗った名前。
本当の私の名は・・・。
「・・・彩虹」
「はい・・・寅靖、さん」
暖かな手の感触と少し照れたような微笑みに、穏やかな心地良さを感じて。
私は想い出を胸に仕舞い、彼の隣で共に歩もう。
満ちても、欠けても、常に空にある・・・月のように。
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