(株)トミーウォーカーのPBW【シルバーレイン】に参加してるキャラクターが書き散らし気味に展開中。
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休みの喧騒から少し離れた此処は、いつもと変わらず静かな時間が流れている。
変わったのは、私・・・。
家族だけでお参りを済ませた後、彼を待つ。
月命日には必ず身に着けていた黒のドレスは、置いてきた。
次の場所へ歩く決心を見せる時に、あのドレスは似合わない。
あの時彼の肩から現れたのは、間違いなく律の白燐蟲だった。
私の中から現れた蟲と寄り添うように窓の外へと消えていってから、私の中の蟲の気配が消えた。
もとより自在に使えた訳ではないけれど、今まで気配が消えたことはなかった。
けれど今、不安はない。
私と共になくても、律が見守ってくれている事は解かっているから。
日傘の合間から零れる光が優しい。
声をかけられて振り向くと、寅靖さんが立っていた。
共に花を供え、手を合わせる。
寅靖さんの隣で歩いて行く事を改めて報告して、指輪を外す。
---護ってくれてありがとう。
---縛り付けてごめんなさい。
冷たい石の上に、外した指輪を置いた。
黙祷から目を上げた寅靖さんはそれを見て驚いた顔をしていたけれど、私はただ微笑んだ。
私は彼と共に歩む。けれど自分を見失わないよう、常に戒めて。
私は、私に、再返る。
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